フラクタル的設計について

Posted on December 18, 2013

誰もが認めることだろうが、フラクタルは美しい。視覚的な華やかさや、無限的なものが有する深遠さ、「神は細部に宿る」に表現されるような神秘的な印象が、我々の審美眼を納得させるからだ。

ところが、フラクタルの有用さについてはそれほど認められていないように思う。かく言う私も、フラクタルを単なる数学上の遊戯に過ぎないとみなしていた。

しかし、フラクタル的なもの、つまり、部分と全体がさまざまな形で相似になっている何か、を想像すれば、その考えも一変するだろう。

「一を聞いて十を知る」ではないが、「一を知って十を知る」はフラクタル的なものを表現している。また、一貫性や統一感はフラクタル的なものに共通する性質である。

例えば、ある製品がフラクタル的であれば、利用者はその一部の用法を理解するだけで全体の用法を理解できるであろうし、ある建物がフラクタル的であれば、誰もがその柱を見るだけで全体像を思い浮かべられるのである。大変結構なことではないか。

だから、何かを設計するときにフラクタル的なものを意識することは有益であろう。フラクタル的なものを完全に設計することは不可能だという意見は認めるが、その一方で、ある設計を凡百の設計から区別させるのは、そういった心づかいなのだろうと思う。